コラム 第36回

【お母さんは、きみを想ってる】
これは、夏休み中に再放送されていた#NHK #Eテレ こどものための哲学番組「Q」で、「なんでお母さんはいつも怒るの?」というテーマの中、お母さんパペットから出てきた言葉だ。

しかし、これほど邪魔な感覚はない。
「お母さん」を他の言葉に置き換えてみれば分かる。力の強い者が、情緒的に自身の正当性を訴えるときの常套手段だ。

こころから相手を想っている場合、私たちはただ見守る。あるいは静かなアドバイスを送る。これには忠告も含まれる。静かなのだ。自分で考え、自分の足で歩んでもらうためだ
それが番組で議題に上がっていたガミガミガミガミという怒り方になると、怒る側の“満足”という無意識の問題が頭をもたげてくる。
相手を一人の“人間”として尊重する気持ちがなくては、ただ感情としての“怒る”であって、人を育てる“叱る”にはならないのである。

「なんでお母さんはいつも怒るの?」に対する私の答えは、次の通りだ。
お母さんやお父さんがガミガミ言うのは、お母さんお父さんの“満足”にキミたちが到達していないことに我慢ができないからだよ。“親”という冠は時々、キミをキミとして見つめることを忘れさせるんだ
つまりは、怒る本人の未熟さの顕れだ。その怒り方を人前では決して出さないのも、それを表している。ガミガミの中にあるのでは、こどもたちも大切なことに気がつきにくい大切なことは静かな中で、いつもハッと気づかされるものなのだ


こどものための哲学番組「Q」は、いつも楽しく見させてもらっています。
噛みつく内容があるなんて、今回が初めてです。
引き続き応援したい番組ですので、皆様も機会があればお子さまとご覧になってください。

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