コラム 第15回

2月第1週の教育ニュースでご紹介した藤枝市による全小中学校への“Pepper"導入について、考えました。 ※ニュース要約はコチラからも参照できますが、本投稿の終わりにも載せています。



Pepper
ペッパーの授業への導入には、大賛成です。
藤枝市の積極姿勢を伝えるニュースでしたが、他の自治体もどんどん真似すべきでしょう。

当塾に来ているインターナショナルスクール生たちは、10歳前後から学校の授業でプログラミングプレゼンテーションディベート(日本の学校がする“ごっこ”ではない競技としての)など、社会に出て必要となる能力を磨きはじめます。
お勉強と合わせ、仕事をする技術も学んでいるのです。先を見据えた学びですね。

他国の教育と比べる、そして不安をことさら強調して動きを煽る、そのようなつもりはありませんが、日本の教育はどうでしょうか。
受験に必要なお勉強には熱心ですが、皆お揃いで身につける能力として、お勉強で得られる知識以外に重視すべきものがあるという認識、そして、それら普遍的な能力や新しい技術を獲得するために授業を刷新していこうとするアイディアが、まだまだ希薄に思われます。

普遍的な能力としてプレゼンテーションやディベートスキルを、新しい時代の基盤としてプログラミングなどを、養おうと諸外国の教育を追いかけ取り入れることはもちろんのこと、“Pepper”のような先端技術やツールを、決して特別なもののようには思わず、鋭意取り入れていく気概が欲しいところです。
できれば上が買い与えるという構造よりも、先生たちによる授業アイディアが先行するかたちで上に導入を求めるようだといいですね。そういう環境では無駄遣いに終わることもないでしょう。

公立私立を問わず、新しい授業アイディアも出せないようならば、“お勉強”からの脱皮を図らなければならない今の時代の教育には合わない先生、学校だということになります。

いつでもどこでも誰でも、人間らしい発想と情熱が必要になります。
それらが足りない人は、Pepperから学ぶことのほうが多い。そんな時代に突入するのです。


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●来年度から全小中学校に人型ロボット「ペッパー」導入へ ──静岡県藤枝市
 THE PAGE 2017年2月1日 13時30分配信を要約

静岡県藤枝市は来年度から、ソフトバンクが開発・販売している人型ロボット「Pepper(ペッパー)」をすべての市立小中学校に導入し、ソフトバンクと立命館大学が協力して作ったメニューに基づいて授業を行う。
藤枝市には、市立小学校が17校、市立中学校が10校あり、1学級の人数は最大35人。授業で児童・生徒6~7人に1台ずつ割り当てられるよう、計161台のPepperを導入する予定だ。
市はペッパーの授業の意義について、ロボットやプログラミングに興味をもってもらうだけでなく、こどもたちが論理的に物を考える思考を育み、困難にぶつかった時に解決する力を高めていけるようになることだと考えている。

今年1月、市立藤枝中学校の技術の時間に、試験的にペッパーの授業を実施したところ、生徒らはPepperを動かすプログラミングについて学び、言葉を発するプログラムを作って、ペッパーと会話するなどした。
「普段、ロボットを動かす側に回ることはなかなかないので、子供たちは大喜び。休み時間も惜しんでプログラミングに取り組んでいました」(藤枝市企画経営課)。


一方、試験授業ではプログラミング講習を行っている都内の業者が授業をサポートしたが、実際の授業では教師が指導していくことになるため、教師からは期待とともに不安の声も聞かれるようだ。ロボットのプログラミング指導に不安をもつ先生に対しては、ソフトバンクが遠隔でサポートをするとのこと。

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