コラム 第26回

さて、コラムは本題に戻ります。
自ら進んで勉強に取り組む。そういう子たちの仲間入りをするために、勉強嫌いな子たちがくぐるべきは、どのような入り口なのでしょうか。


勉強するのがイヤなら、勉強しないほうがいい。……と、先のコラムでは書いてきました。それが、まぎれもない私の本音、正しい勉強との向き合い方だと思っています。
しかし、本当に不思議なのですが、勉強には“しない言い訳”よりも“しなきゃいけない言い訳”がたくさん揃っていて、それを意識せずにはいられないというのが、こどもたちの多くにとっても実際です。


「『しなさい』って言われてするのはイヤだ。ツマラナイ。」
これは、勉強“しない言い訳”の代表例の一つですが、「だったら、“しなきゃいけない”と分かっている勉強を、自分の思うままに進めましょう。」というのが、やはり私の回答になります。
そして、とにかく続けられるように「ハードルは下げまくれ!」とも伝えます。みんな重い! 重い重い重いっ!!というのが私の考えです。


『小さな習慣』スティーヴン・ガイズ(著)/田口未和(翻訳)

この春刊行された上の書籍、皆さまの中にもネットや書店で見かけられた方がいらっしゃるかもしれません。なんだか、可愛さとゆるさの先行する表紙なのですが、こどもたちの習慣づくりにも役立つことが書かれていました。
●習慣化されていない行動をするときには、モチベーションや意志の力が必要だが、それがかえって「何かをするとき」の大きな障害になる。
●“小さな行動”による成功の繰り返しで自己肯定感が生まれ、自信となり、繰り返しが習慣になると、習慣化された行動が大好きな脳によってようやく「新しい変化」を受け入れられる。
……とまぁ、そんなことを脳の仕組みや潜在意識の法則とやらから、解説しています。


目標と達成について、「腕立て伏せは1回からでいい」と例が挙げられていたのですが、なるほど確かに!と感心しました。自分にとって重い目標を立て、腰が重くて持ち上がらない。そんなことを繰り返すくらいなら、「毎日1回」の方が先へ進みます
1を10にしていく試みよりも、0を1にすることのほうが大変だというのは教育分野にいて日々感じることです。それを、ハードルを思い切り下げることで、軽やかにスタートさせようというのです。「1回では、しょーもない」と考えてしまいがちですが、話題の“自己肯定感”はココで使うのですね。 


ここまで読んで物足りなさを感じる方も、忘れないでください。これは入り口です
でも、確実に能動的で、前向きな進路です。バカにしてはいけません。指示されてする学習なんかより、よっぽど後に活きてくる第一歩。それゆえ干渉無用口出し厳禁です。(そもそも勉強を管理・口出しされている子に、優秀な子はいません。これまでに、一人の例外も見ていません。)

試験直前の子でもなければ、慌てず、とりあえず3日間、“最小目標”を達成しながら過ごしてみてください。その後で「これじゃ、しょーもない」と本人が気づき、“最小卒業”と“次の目標”を決められれば、すばらしい! 3日間で我慢したのが「もう少し(勉強を)進めたい」という気持ちなら、嬉しいですね。
ただし、こどもたち諸君、ハードルは上げすぎないように! そして息苦しくなったら、“小さな目標”で成功した経験を思い出して、いつでも立ち返りましょう。勉強は楽しくなければいけません。







次回は、「では何をするのか」ということをテーマにお話しします。
もちろん自由、何でもいいんですけれどね、基本は(^^♪


【つづく】


※マーク先生は「“自己肯定感”を育てる」というのが大嫌い! これについては、また別に書きます。

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